糖尿病の食事療法というと、「あれもこれも食べられない」というイメージがあるかもしれません。しかし、基本は適正なエネルギー量で、バランスよく、規則正しく食べること。それは、糖尿病の人にも、そうでない人にも、健康的な食事です。
1日の適正なエネルギー量は、「目標体重(kg)×エネルギー係数」で計算します。エネルギー係数は、身体活動量によって次のように目安が決まります。
| 身体活動量 | エネルギー係数(kcal/目標体重kg) |
|---|---|
| 軽い労作 | 25〜30 |
| 普通の労作 | 30〜35 |
| 重い労作(力仕事、活発な運動習慣など) | 35〜 |
例:目標体重55kg、普通の労作の場合は、55×30〜35で、約1,650〜1,925kcalが目安です。目標体重や係数は、年齢、体格、血糖の状態によって変わるため、医師・管理栄養士が個別に決めます。
主食・主菜・副菜をそろえ、偏りなく食べることが基本です。炭水化物は血糖への影響が大きいので、1回に食べる量を決めておきます。食物繊維は、食後の血糖の上昇をおだやかにするはたらきがあるため、野菜や海藻、きのこを先に食べる工夫が役立ちます。脂質は、食後しばらくしてから血糖を上げる原因になるため、1回の食事で食べすぎないようにします。また、食塩、コレステロール、飽和脂肪酸のとりすぎにも注意しましょう。
2024年版のガイドラインでは、食事療法は、エネルギーを制限する方法一辺倒から、病気の状態や好みに応じて、複数の選択肢から選べる方向へ変わってきています。ただし、糖質制限以外の方法は、日本人を対象とした研究がまだ十分ではありません。血糖を下げる薬やインスリンを使っている方が、自己流で食事を大きく変えると、低血糖などの危険があります。始める前に、必ず主治医に相談してください。腎臓の合併症がある場合は、たんぱく質や塩分、カリウムなどに制限が必要になることもあります。
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療・栄養指導ではありません。