血圧が高めと指摘されたとき、まず取り組むのが食事や運動などの生活習慣の見直しです。2025年に改訂された日本高血圧学会のガイドライン(JSH2025)でも、生活習慣の改善は治療の土台とされています。
ガイドライン2025では、診察室血圧で130/80mmHg未満、家庭血圧で125/75mmHg未満が、年齢にかかわらず原則の目標とされています。ただし、高齢の方などは、ふらつきなどに注意しながら、個別に目標が決められます。
食塩相当量で1日6g未満が目標です。ただし、高齢の方は、減らしすぎて食事の量やエネルギー、栄養が足りなくならないよう、体格、栄養状態、活動量に合わせて調整することが望ましいとされています。
野菜や果物に多いカリウムは、塩分(ナトリウム)の排出を助けるはたらきがあります。野菜・果物、低脂肪の牛乳・乳製品を積極的にとり、ナトリウムとカリウムの比を下げることが勧められています。ただし、腎機能が低下している方は、カリウムを制限する必要がある場合があるため、必ず主治医に確認してください。
DASH食(ダッシュしょく)は、「Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事)」の略で、米国の国立衛生研究所などが考案した食事法です。野菜、果物、低脂肪の乳製品、全粒穀類、魚、豆類、ナッツ類を多くとり、飽和脂肪酸とコレステロールを控えます。その結果、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維が多い食事になります。日本の高血圧治療ガイドライン(2019年版)でも、推奨されている食事法です。
1997年に報告された米国の試験では、通常の食事と比べて、DASH食で収縮期血圧が平均5.5mmHg、拡張期血圧が3.0mmHg下がりました。高血圧の人に限ると、収縮期で11.4mmHg、拡張期で5.5mmHgの低下でした。さらに、DASH食に減塩を組み合わせると、血圧は一段と下がることが示されています。
日本人は食塩の摂取量が多い傾向があり、DASH食の効果は食塩摂取量が多いほど大きいとされています。DASH食だけに頼らず、減塩とあわせて取り入れることが大切です。
肥満がある場合は、食事と運動で3%以上減量すると、血圧の低下が期待できます。運動は、ウォーキングなどの有酸素運動に加えて、筋力トレーニングも勧められています。飲酒は控えめにし、加熱式タバコを含めて禁煙を。寒さ、睡眠不足、便秘、ストレスも、血圧を上げる要因になります。
診察室だけでなく、家庭での測定が、血圧の管理の基本になります。薬を飲んでいる方も、生活習慣の改善がないと血圧は安定しにくいため、食事や運動の見直しを続けましょう。
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療・栄養指導ではありません。