「筋トレ後30分以内にプロテインを飲まないと意味がない」。そんな話を聞いたことはありませんか。近年の研究では、運動後のごく短い時間にこだわるより、1日にどれだけ摂るかのほうが重要だと考えられています。
筋トレのあとは、筋肉でたんぱく質が作られやすい状態になります。そのため、終わった直後に摂るほうが有利で、時間がたつと効果が落ちるという考え方が広まりました。これが「アナボリックウィンドウ(同化の窓)」と呼ばれる仮説です。
2013年に発表された、タイミングについてのメタ分析(複数の研究をまとめて分析する方法)では、筋肥大は525人、筋力は478人分のデータが検討されました。単純にまとめると、筋肥大に小〜中程度の差が見えましたが、総たんぱく質量などの条件をそろえて分析すると、タイミングの効果は見られなくなりました。つまり、「タイミングの差」に見えたものの多くは、「摂取量の差」だった可能性があります。
この分析では、効果が出る時間帯があるとしても、運動の前後で4〜6時間ほどに及ぶ可能性が示されています。30分や1時間に限られるわけではなさそうです。
2018年のメタ分析では、たんぱく質の補給は筋量や筋力の向上を助ける一方で、1日の総摂取量が体重1kgあたり約1.6gを超えると、それ以上の上乗せ効果は見られませんでした。また、年齢が上がるほど、補給の効果は小さくなる傾向がありました。
同じ年に出された総説では、1回あたり体重1kgにつき約0.4gを、少なくとも4回に分けて摂り、1日で1.6g/kgを目指す考え方が示されています。体重別にすると、次のようになります。
| 体重 | 1食の目安(0.4g/kg) | 1日の合計(4回) |
|---|---|---|
| 50kg | 約20g | 約80g |
| 60kg | 約24g | 約96g |
| 70kg | 約28g | 約112g |
| 80kg | 約32g | 約128g |
筋トレを続けている健康な成人を対象にした研究にもとづく目安です。
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医療・栄養指導ではありません。